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ホタルイカ戦略考

概要

ホタルイカパターンももう終局に近づいてきたので、ここいらで今までの経験を踏まえて一度思考をアウトプットしておこうと思います。別に解説って訳でもなく誰かの為に書くわけでもなく、単に言語化しておかないと来年には絶対記憶忘却して同じヘマをやらかしそうなのでその予防に書いていきます。

さて、ホタパに限らず全ベイトに共通する悩みなのが待つべきかランガンすべきかという二択です。当前ですがベイトによって動きは異なるわけで、例えば落鮎はポイントもタイミングがほぼ毎年固定だから待ってるだけでいいですし、イナッコとかだと割とどこにでもいるので食われてないベイトを指を咥えて見ているより今現在スイッチの入っているシーバスを探す方が効率的だったりします。

そこで今回のホタルイカにフォーカスしてみると非常にその判断が悩ましいベイトだと思います。なにせ何処で、何時湧くのかがわからないベイトです。オマケに湧いてもどのフィッシュイーターが着くのかも不明と来たもんで、とにかくランダム性が高いベイトであることは今年も身を持って学びました。

そんな中、一応「待ち」が戦略としては正解なんじゃなかろうかと今年は結論付けました。理由は2つあります。「魚種のランダム性」と「先行者リスク」です。

魚種のランダム性

ホタルイカパターンのボトルネックとなる部分の一つが魚種選別の困難さにあります。基本ホタルイカさえ湧けばどこでもランカーが釣れる可能性は出てくる訳で、それにより県内各地の普段はシーバスのシの字もないようなポイントでも好釣果が出たりします。

ただ、上記のレアケース的な釣果を無視して見るとやはりシーバスの釣果がコンスタントに出ているポイントは毎年ある程度固定されているように思います。その他の魚種に関しても、例えば真鯛の釣果は県西部ではほぼ全くなかったりとエリア毎に釣れる魚種はある程度決まっていることが察せられます。つまりシーバスもある程度決まった回遊エリアがあると考えるのが自然であり、沖からホタルイカを追いかけてどこへでも回遊しまくるという状況はあまり想定すべきではないように思います。

その点を踏まえると仮にホタルイカが現時点では湧いていなくても回遊ルートで定点待ちした方が少なくとも魚種を外すリスクは減らせるはずです。さらにホタルイカが何時湧くかわからないという性質がある以上、情報がない限りは待っても移動してもホタルイカに遭遇する確率はそう大差ない為、結果として魚種を限定した場合の方がシーバスの釣果に関しては期待値は高いと言えるでしょう。

例外としては、明らかにホタルイカが湧きにくい状況が揃っている場合は移動を選択した方が良いかもしれません(濁りまくってるとか)。その場合は状況を見て即移動が後述の理由からしてもマストな選択かと思います。

先行者リスク

もう一つの理由としてはポイントの確保が難しい事が挙げられます。近年ホタルイカ掬いの人が非常に多くなってきており、前項で「情報がない限りは待ちも移動も確率は大差ない」と書きましたが、その情報をSNS仕入れた場合はすでにその情報は不特定多数の多くに周知されており、現場には多量の人が溢れかえっていると予測されます。こうなった場合、仮に情報を持って移動したとしてもポイントに入れる確率は非常に低く単なる無駄足になる可能性が高いでしょう。また、情報抜きにしても移動先に先行者がいる確率が高いのは間違いなく、ランガンで移動回数が増えるほど先行者のリスクが高まるのは言うまでもありません。

仮に移動せずにホタルイカ待ちを選択する場合、単純確率で考えるとホタルイカが湧くか否かの五分五分まで持ち込めるのハズですが、ランガンの場合はポイントへの優先権が取れるか否かのリスクが入り込む為トータルとしての期待値は確実に落ちます。勿論これはホタルイカがいつどこで湧くかを読めないという想定での確率なので読めるのあればまた話は変わってきますが、現状自分には読む術はないので待ちの選択が最も期待値が高いと思われます。

総括

実際釣りをしている段階で目の前のポイントにホタルイカが湧いていないときの絶望感は半端ではなく、移動することで湧きに湧き踊るユートピアに出会えるのではないかと夢見て移動したくなるのですが、要素だけを抽出すると移動しない選択の方が勝算が高いという結論に至りました。

机上の論と現場でのフィーリングとのギャップは釣りをする上で常に付き纏ってくる問題だと思うのですが、時々こうやって言語化して吐き出しておくことで毎年フィーリングに任せて同じ間違いを繰り返す可能性を減らせるのではないかと思っています。おそらく来年またホタパをしてる際には、移動したい欲求が悪魔のささやきをしてくるかと予測されますが、その時はこの記事を読みかえして堪えれるようにしたいものです。